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耶馬日田英彦山国定公園
【やばひたひこさんこくていこうえん】


福岡・大分・熊本3県にまたがる国定公園。総面積850.23km(^2),県内面積82.69km(^2)。昭和25年7月指定。渓谷・山岳などからなる。福岡・大分県境の英彦山は耶馬渓溶岩台地の一部が開析されてできた英彦山火山群の主峰で,頂部は3峰に分かれ,中岳に英彦山神社がある。古くから修験道の霊場として栄え,盛時には3,000余の坊が立ち並び,大門前集落も形成されたが,今日では山伏の屋敷跡に階段状に水田が作られ,かつての面影はほとんど失われた。しかし銅鳥居・奉幣殿・雪舟庭園・座主院跡などの文化財や景勝地も多く,最近スキー場のある鷹ノ巣原に国民宿舎・キャンプ場などが開設され,大分県の耶馬渓への自動車道も通じた。水郷情緒豊かな大分県日田市は,古来九州の京都と称し,江戸期には幕府の日田代官所が置かれ,三隅川の鵜飼や遊船でも知られる。周辺の山地に杉の美林があり,下駄・家具・建具などの林産加工業が盛んで,特に下駄は静岡・広島と並ぶ三大産地の1つ。山国川が溶岩台地を浸食してできた耶馬渓には,青の洞門・羅漢寺・一目八景など,いわゆる耶馬十渓と呼ばれる景勝地が点在する。明治の新思想の先覚者福沢諭吉を生んだ,大分県中津市は耶馬渓探勝の出発点で,耶馬渓へは,大分県内の別府方面からも観光バスの便があり,周辺には守実・日田・天ケ瀬(以上大分県)・杖立(熊本県)などの温泉が所在。大分県の玖珠盆地南方にはメサ地形の万年山があり,ミヤマキリシマが美しい。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7215412