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若戸渡船
【わかととせん】


洞海湾口の最狭部を結ぶ渡船。北九州市の戸畑区北鳥旗町の戸畑渡場と若松区本町1丁目の若松渡場を結ぶ。江戸期から伝馬船により個人が経営,大渡川渡船と呼ばれたが,明治22年頃若松村営となった。同36年に町営となり,同44年に蒸汽船が就航したのち,大正3年若松の市制施行に伴い若松市と戸畑町が共同管理を行い,若戸共同渡船と改称。航路は直線で400mにすぎないが,若松と戸畑を結ぶ大動脈として発展,昭和9年からは貨物船も就航した。同21年からは両市で構成する渡船組合が経営。同32年には1日の客船運航回数186回,貨物船運航回数84回にも達し,利用客は増加傾向にあったが,それ以上の増便は洞海湾の船舶航行に支障が生じるために若戸大橋の建設が計画され,同37年完成した。同年11月末に貨物船は廃止されたが,客船は市民の足として運航を続け,同38年以降は北九州市営となり現在に至る。昭和58年の運航回数は1日平均85往復,輸送人員は年間313万人。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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