若松市営軌道
【わかまつしえいきどう】

若松市（北九州市若松区）内の臨海工業地域と国鉄若松駅を連絡した貨物専用線。県下唯一の公営軌道であった。総延長４km，軌間1,067mm，単線，動力には電気機関車を使用。昭和11年５月に若松～北湊間，および中川通７丁目～浜ノ町間，同14年７月に中川通７丁目～連歌浜間，翌８月に連歌浜～安瀬間を開業。昭和20年代後半から30年代の最盛期には石炭を中心に年間約40万ｔもの貨物を輸送していたが，路線が中川通商店街を貫通していたのでトラブルも絶えなかった。昭和38年５市合併で北九州市営に代わった頃から，石炭産業の衰退，トラック輸送の発達などで経営不振となり，同43年日本通運に経営を委託し，同50年10月に廃止された。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7215756