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渡辺通
【わたなべどおり】


福岡市中央区にある大通り。市の中心,天神から南へ向かい,国道202号と県道後野福岡線の各一部からなる。沿道には渡辺通1~5丁目が続く。この地名は,商人の名をつけた市内での唯一のもの。関西電気(のちの東邦電力)が設立した福博電気軌道(のちの市内電車貫線,現地下鉄1号線上の道路)に対抗して,地元実業界の渡辺与八郎を中心に,明治42年に博多電気軌道(のちの市内電車城南線)が設立され,同44年に開通。当時の新柳町~天神間の道路は,創設者にちなんで渡辺通,博多電気軌道本店前の停留所は渡辺通1丁目となった。この本店は大正元年11月に博多電気軌道が九州水力電気に併合されたのち昭和24年6月火災で焼失するまで,九州水力・九州配電の本店となり,同27年4月,前年発足した九州電力本社として再建,本社のホールは電気ホールの名で市民に親しまれた。同35年,西鉄福岡駅高架工事に始まるこの地域の開発は,同54年,渡辺通地区市街地再開発事業が完成されるまで続き,新電気ビル・ホテルニューオータニが進出,旧商店街はサンセルコの愛称で新しい商業地域に生まれ変わったが,客足は天神に向き客を奪われている。また,道路も整備されたが,交通渋滞を生じ,同60年3月1日の12時間の交通量は,1丁目交差点の東側(博多寄り)3万5,400台,北側(天神寄り)3万2,800台となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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