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在尾城
【ありおじょう】


鹿島(かしま)市高津原字高津原にあった城。多良岳から北東にのびる丘陵上の蟻尾山(193m)に設けられた山城。蟻尾城・有尾城とも記す。文正元年大村家徳によって築かれ,千葉氏の侵攻に備えるためであった。家徳は在尾城を本城にして原・籾岳2城を支城にした。しかし11年後の文明9年には千葉胤朝に攻められ落城した。山頂には永正9年の石祠があり,その内容からこの頃廃城になっていて修験者の道場になっていたのではないかと考えられる。山頂には削平した郭とみられる平坦地,空堀が認められる。また東山麓に大殿分・若殿分・納富分(のうどみぶん)などの地名が残るのは大村氏の所領地であった遺称名であろうか。なお松岡城の西北に大村方があり,ここに大村氏当初の居館があったのであろう。蟻尾山一帯は小字「郡山」であり,近くに藤津郡家が想定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7215884