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安福寺
【あんぷくじ】


杵島(きしま)郡白石(しろいし)町大字堤(つつみ)字嘉瀬川にある寺。天台宗。日輪山と号す。「水堂さん」と通称する。水堂本尊は聖観世音菩薩で行基作と伝える(肥前古跡縁起)。開山年代は未詳。「肥前古跡縁起」に平重盛の中興本願,澄憲の開基とみえる。重盛の夢に日輪の中に観世音の梵字が現れ,霊水が湧出するのを見,全国を訪ねさせたところ当寺のものがそれだとわかり,七堂伽藍が建立されたという。霊水は毎年4月8日早朝から7月15日早朝まで出て,参詣者はこの水を手向け,自ら飲むという。今もこの期間に出水法要が行われている。重盛建立と伝える七堂伽藍は須古城主平井氏と竜造寺氏との戦いで荒廃したが,慶長年間に竜造寺隆信によりその跡に1寺が建立され安福寺と称した。快乗法印を中興開山とし,法相宗から天台宗に改宗。のち鍋島信明は境内に英彦山三所権現社を造営し,25石を給して祈願所とした。8世豪清法印は1堂を建立して六時念仏を執行した。その本堂は昭和26年9月,境内の僧坊とともに全焼(県災異誌),のち再建した。境内に重盛塔と呼ばれる元応元年7月吉日銘の五輪塔,大蔵経を納める六角堂などがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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