的里
【いくわり】
旧国名:肥前
(古代)条里の里名。嘉暦2年2月3日付藤原季秀寄進状案に「在肥前国神崎庄内上条郷内的里卅三坪四反四丈事」とあり,上条郷に属していた(仁比山神社文書/神崎荘史料)。遺称地は神埼(かんざき)町的(ゆくわ)で,条は他の古文書の内容から7条になる。的は門号氏族の的氏に由来するものとみられ,その起源は古いものと判断される。上条郷は神埼町北部から日隈山山麓にかけてであったとみられる。ところで同じ郡名である播磨国神前郡には的部(いくは)郷があり,神埼郡にも的部郷があったのではないだろうか。そうであれば上条郷は古代の的部郷を中心にして形成された可能性が強い。
| KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7215919 |