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池ノ峠
【いけのとうげ】


伊万里(いまり)市大坪町白野にある峠。標高61m。近世初頭唐津(からつ)藩と佐賀藩の接点で,唐津~伊万里を結ぶ唐津街道が通っていた。伝説によると,峠に近い城古(じようご)岳と黒髪山に住む2匹の大蛇が,付近の田畑を荒らして村人を困らせたため,鎮西八郎為朝がこの峠の堤に水飲みにきた大蛇を退治したといい(伊万里市史),峠付近には,矢吹が谷・太刀洗川・十三塚などこの伝説にちなむ地名がある。「松浦拾風土記」によれば,「池の峠は伊万里・波多領の境なり。昔双方より出合の所,境の関を建つべしと,双方に家臣を二人宛入れ替へ置き,鶏の声を相図に出立せり」とあり,峠付近に両藩の番所があったことがわかる。伊能忠敬の測量日記によると,文化9年9月14日この峠付近の測量をしている。現在,国道202号となり,旧道が同国道わきに一部残っている。古道(ふるみち)・伊万里道・かめや道の地名が残る。現在,長崎・福岡を結ぶ長距離鮮魚トラックをはじめ車の往来が激しい。この峠では,近くで生産されるナシ・ブドウの出店も並ぶ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7215924