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石造眼鏡橋
【いしづくりめがねばし】


藤津郡塩田(しおた)町谷所の鹿島川に架かる橋。火の神として肥前国一円に広く崇敬された八天神社の参道が谷所川(鹿島川の上流部の呼称)を渡るところに架かる。長さ11.14m,幅3.69m,高さ4.65m,欄干70cm,アーチ形の石橋。土地の人は太鼓橋ともいう。嘉永5年に着工し,同7年に完成したもので,昭和40年7月に県の重要文化財に指定された(佐賀県の文化財)。眼鏡橋と呼ばれているアーチ形の石橋は,寛永12年興福寺の僧,黙子如定が長崎に架けたのが始まりと伝えられている。その後,九州各地,特に長崎・福岡・熊本各県に広まり,数多く残されている。しかし,当県にはその数が少なく,しかも江戸期に架橋されて完備を保っているのはこの橋のみである。県の重要文化財の認定書には「眼鏡橋は,特色ある構造を有する優美な石造建造物として,また江戸時代における中国文化の影響と,その伝播を物語る文化遺産として価値が高い」と記している。嘉永5年,八天神社の1,200年大祭を記念して,石工頭,永石権作明昌が,谷所,石垣地区の石工10数人を指揮して建築した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7215945