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伊勢山遺跡
【いせやまいせき】


三養基(みやき)郡基山(きやま)町大字小倉(こくら)にある遺跡。基山(きざん)(404m)から東南へ派生する舌状丘陵地の1つ,伊勢山神社の社殿の裏側に開けた標高46mの平坦地にあり,この舌状台地の南側には宝満(ほうまん)川の支流が蛇行し水田が開けている。縄文時代早期に編年される押型文土器や弥生時代の土器が採集されているが,近年の茶園開墾によって消滅している。高速道路建設に伴う発掘調査の結果,古墳時代の住居跡や祭祀遺跡・貯蔵穴が確認されている。住居跡は方形をなす8戸の竪穴式住居で,その中には住居として使用された後に祭祀場として転用されたものや,火災により焼失した住居跡があり,そのすべてにかまどや炉跡が確認されている。特に祭祀場として使用された住居には,滑石製模造品や手捏土器が多量に出土しており,焼失した住居跡の床面からは多くの炭化米が確認されている。貯蔵穴は住居跡の西側に接して位置し,隅丸方形や楕円形を呈する大形のもので,中には排水溝を有する貯蔵穴もある。この遺跡からは,祭祀用品の他に日常生活用具として使用した各種の土師器や須恵器も多く出土しており,5世紀後半に生活の場,祭祀の場として使用されたと思われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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