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稲主神社
【いなぬしじんじゃ】


杵島(きしま)郡北方(きたがた)町大字志久(しく)にある神社。旧郷社。祭神は倉稲魂(うかのみたま)命・木元氏霊神。大正2年に海津見(わたつみ)神を合祀。社伝によれば,鎌倉期,大内守護職であった右馬頭源頼茂が,将軍実朝暗殺事件の政争を逃れて志久村に隠棲し木元夕路木を名乗ったが,里方で93把の紅稲が盗まれた時に疑いをかけられ,わが子7人の腹を割いて潔白を証明するとともに自らも割腹自害したという。その後木元を糾明した代官および村吏13名も罰せられて葬られたのが十三塚として残っている。この後志久村にたたりが相続いたため,領主後藤清明は嘉禎元年に祠を造って木元父子を祀り,稲主大明神を称したと伝える。宝治元年に,後藤氏は境内地に古くから祀っていた旭丸稲荷神社を合祀して神殿を建立するとともに,志久村のうち217石を寄進したという。天正5年に多久領となるが,寛文3年には多久茂辰は神殿を改築して北方郷の鎮守とし,神祇管領に奉請して祭礼での三本笠鉾七囃浮立の免許を受けて,毎年9月9日の祭礼を執行したという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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