100辞書・辞典一括検索

JLogos

16

伊万里県
【いまりけん】


(近代)明治4年9月4日~同5年5月29日の県名。廃藩置県で誕生した旧佐賀本藩領の佐賀県と旧対馬藩領の厳原(いずはら)県が合併して成立。明治4年11月14日蓮池(はすのいけ)県・小城(おぎ)県・鹿島県・唐津(からつ)県を編入。県庁は臨済宗南禅寺派万明山円通寺(現伊万里市)に仮住まいした。同年9月より新庁舎の建築が着工された(明治6年1月ヨリ大蔵省伺済)。当初は県令が任命されず,明治4年12月初代伊万里(いまり)県権令に旧幕臣山岡鉄太郎(鉄舟)が任命された。山岡権令は翌5年1月12日に参着したが,同18日には離地している。同年5月,第2代目権令に旧多久邑主の多久茂族が就任した。多久権令は早速大蔵省宛に伊万里県庁の佐賀への移転を具申した。理由は,伊万里が辺鄙で事務上支障を来し,出張所の割振も数を多くする必要があることなどを挙げている。この意見具申が入れられ,明治5年5月29日佐賀県となる。なお,すでに明治5年1月には旧佐賀藩領のうち諫早(いさはや)・神代(こうじろ)・伊古・西郷(さいごう)・深堀地方は長崎県に編入され,また佐賀県への改称の際に肥前国の田代・浜崎地方の飛地を除く旧厳原県域(対馬国)が長崎県に編入された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216036