100辞書・辞典一括検索

JLogos

20

浮岳
【うきだけ】


筑紫富士,吉井岳ともいう。背振山地の西北部,東松浦郡七山(ななやま)村と福岡県糸島郡二丈町との境界にある山。標高805.2m。当山の西側にある十防(とんぼ)山と東側にある女岳を結ぶ稜線は,肥前と筑前との国境で,荒谷峠・白木峠・七曲峠があり,古代道として盛んに利用された。当山は唐津(からつ)より丑寅の方向にあり,舞鶴城の鬼門に当たるため浮岳権現が祀られた(杉浦記集成)。江戸期,同権現に火をともして航海の安全をはかった。山名の由来は,西行法師が西国行脚の折,当山を見て「音に聞く筑紫のふじを来て見れば霞にまかふ雲の浮岳」と詠んだことによるといい,西行岳ともいう(同前)。現在,十防山とともにハイキングコースとなっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216078