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牛津大橋
【うしづおおはし】


小城(おぎ)郡牛津町の牛津川に架かる橋。新・旧2つの牛津大橋がある。新大橋は国道34号が通過する鉄橋,旧大橋は県道が通過するコンクリート橋である。地元の人は牛津大橋といえば,旧大橋のことをいう。旧大橋は明治末期まで土橋であった。「小城郡村誌」の牛津町の項に「大橋 土造国道ニ属ス,新町ノ西口多久川(牛津川)ニ架ス 長サ三十間,幅三間」とある。古老の話によると,牛津川を渋柿を積んで多久(たく)から下ってきた船が橋脚にぶつかり,橋が傾いたという。ちなみに柿の渋は漁網を強くするのに用いた。そこで,木橋に架け替えられた。大正中ごろ,天草から石灰を積んで来た船が,満潮で逆流した潮に流されて橋脚にぶつかり,船も橋もともに燃えた。明治7年の佐賀の乱では江藤新平の軍と官軍がこの橋を挟んで戦った。明治30年ごろは,多久の別府古賀山炭坑が開かれ,石炭船がこの橋の下を往来した。藩政期,宿場であった牛津町は人の往来が激しかった。「野田家日記」に「文政十二年二月十六日朝鮮人十人通る。三月十二日朝鮮人十四人通る。文政十三年六月十日小城様御下り。六月二十七日佐賀様長崎御越……」が見える。現在の旧大橋は,大正15年11月に架け替えられた。新大橋は昭和29年3月,旧大橋の約100m上流に完成したもので,長さ125.6m,幅7.2m,つり鐘式の鋼鉄製の橋である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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