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梅坂炭化米遺跡
【うめさかたんかまいいせき】


鳥栖(とす)市今町字梅坂にある遺跡。柚比町梅坂から続く丘陵の先端南西斜面に位置している。第2次大戦後の開墾の際,炭化米が発見され,これが紹介されて広く知られた。昭和53年,柚比遺跡群の範囲確認調査の一環として,鳥栖市教育委員会によって再び調査が行われた。発見された古墳時代の遺構としては,6世紀中ごろの6軒の住居跡と,火災を受けた6世紀後半の住居跡6軒・倉庫跡2軒・炭化米土壙である。遺物は,倉庫跡から炭化籾が多量出土し,一部は穂摘みのまま貯蔵した状況が判明した。また,人のこぶし大の鉄丹が30個ほど倉庫跡から出土している。土器は須恵器の高坏・・甕・坏,土師器類が甑・壺・坏・手こねのミニチュア土器で,住居跡からは鉄鎌・紡錘車も出土した。紡錘車の1つには,中央部の孔に竹材が炭化した状態で残っており,その使用法を示している。当遺跡では,特に炭化籾の状態から,穂摘み収穫法が6世紀後半代も行われていたことを知り得た。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216118