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江熊野村
【えぐまのむら】


旧国名:肥前

(近世)江戸期の村名。佐賀郡のうち。嘉瀬川中流域,高取山の南麓に位置する。小城(おぎ)藩領。佐保川島郷に属す。「宝暦郷村帳」では小村に江熊野宿,「天明郷村帳」「文化郷村帳」では小村に南古賀・宿がある。村高は「正保国絵図」では江隈野村として88石余,「天明村々目録」「天保郷帳」でもともに88石余。「旧高旧領」には見えない。鎮守は神変社(彦山権現,役の行者,菅原道真)・山王社(山王権現)がある。神変社は松田茂久が彦山権現の分霊を祀った行者堂が大きくなったものである。松田氏は土豪で,竜造寺氏・鍋島氏に仕え,茂久は10数度の戦いに功績を立てたといわれる。また子孫は代々小城藩に仕えた。近世には佐保川島郷のうちで最も繁栄した所で,造酒屋3軒,油屋2軒,その他豪家が軒を並べた。神変社前には三階建の家があり,小城藩主の鴨狩・鶴狩の時の休憩所といわれる。行事には荒神さん相撲(12月24日)がある。「明治7年取調帳」「郷村区別帳」にはともに吉富村の枝村として記されている。「明治11年戸口帳」によれば久留間村のうちに「江熊野分」と見え,戸数65・人口278。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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