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榎本里
【えのもとり】


旧国名:肥前

(古代)条里の里名。康和4年9月23日付肥前国源久処分状案に「波田浦 四至〈東限貴志山 南限山 西限榎本里十八坪南里外北縄手 北限刺比里十七坪北縄手〉」と見える(石志文書/平遺1500)。波田は北波多(きたはた)村稗田字田中に祭祀される波多八幡神社が波多郷の総社であったことから,同神社付近を指すのであろう。その四至に記される榎本里の遺称地はないが北波多村行合野(ゆきあいの)に小字恵木(えき)・榎木谷があることから,榎本里は榎木里の誤りではないだろうか。行合野には条里地割りも認められる。なお東限貴志山の遺称地は北波多村岸山である。ところで文永6年7月20日付源留譲状案に「武末名 榎本里廿二坪弐杖」と記す榎本里も同一の里を指すものと思われる(伊万里文書/平戸松浦家資料)。さらに建武3年2月10日付伊万里満譲状案にも「江のもとか里廿二のつほ二つへ」と記される(肥前伊万里文書/南北朝遺412)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216169