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大堂神社
【おおどうじんじゃ】


佐賀郡諸富(もろどみ)町大字大堂にある神社。旧郷社。祭神は事代主神・大山祇命・豊玉姫命・平将門・宗像三女神。六所大明神とも称す。縁起によれば,弘安2年に創建,永仁年間に新たに六所宮が造営されたと伝える。また,「肥前古跡縁起」によれば,小田祐光が蒙古襲来のときに夢の中で大堂大明神の霊験を受け,同様な夢をみた大宰少弐政資とともに蒙古軍を打ち破ったのち,後宇多天皇の勅願として社殿を建立したと伝える。祭神に平将門が加えられているのは,中世期の東肥前の守護が,関東から下向した鎮西(ちんぜい)小田氏であったためと思われる。近世には,大坂冬の陣・夏の陣のときに鍋島家の祈願に効験があったとして,鍋島元茂(小城支藩初代)が銅の大鳥居を建納。これは,元茂が大堂神社と川を隔てた蓮池の館で生まれたからでもあろう。銅造明神鳥居は寛永17年の建造で,県内唯一の鋳銅製鳥居でもあり,鍋島藩お抱え鋳物師谷口家の技術を残すものとして県重文に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216274