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大村駅
【おおむらのえき】


旧国名:肥前

(古代)平安期に見える駅名。松浦郡のうち。「延喜式」によれば駅馬5匹を常置。「和名抄」に見える彼杵(そのき)郡大村郷と同じ場所として,長崎県大村市に比定する説もある。しかし,駅の記載順が郡の記載順に一致する点から,「肥前国風土記」松浦郡条に「駅伍所」と記される地の1つで,東松浦郡浜玉(はまたま)町の玉島川に沿う五反田の大村神社(藤原広嗣を祀り無怨寺大明神といわれる)がその遺称地とみられる。同社は境内から布目瓦が出土し,奈良期の寺院址と推定されているが,承和2年8月15日付の太政官符に見える松浦郡弥勒知識寺の跡であろう。天平17年10月12日の勅符では同寺に初めて僧20人を置いたと記されている(類聚三代格)。ところで「万葉集」には玉島を歌った歌が多く見られるが,これは当地を通過する大宰府の官人がその景観にひかれたことを示すものであろう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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