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沖ノ島
【おきのしま】


藤津郡太良(たら)町にある島。鹿島市との境の箱崎の東方5.5kmにある有明海唯一の島である。灯台のある無人島。「疏導要書」には沖神島とあり,有明海沿岸住民に「おんがみさん」「お島さん」と呼ばれてきた。「おんがみさん」の由来は,神が髪を海に投げ込んだのが島となったという伝説により御髪島と呼んだことによる(肥前古跡縁起)。また「お島さん」は,お島という孝行娘が雨乞い祈願のため身を有明海に投じ,この島で死体となって発見されたという伝説にちなむともいう(佐賀県の歴史と文化攷)。旧暦6月19日沿岸各地より沖ノ島参りがある。また金立神社の雨乞いの神事としての沖ノ島参りもある。沖ノ島の信仰者はおもに有明海沿岸一帯の住民である。祭神が航海神・水神であり,船を利用しなければ参拝できないことから,この信仰は漁民に始まり,水を必須条件とする農民にも農業神として信仰されるようになったと思われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216335