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小田宿
【おだしゅく】


杵島(きしま)郡江北(こうほく)町大字上小田にあった長崎街道に沿う宿駅。両子(ふたご)山(338m)から南にのびる丘陵地の山麓に位置し,次の成瀬宿まで2里11町,牛津(うしづ)宿まで2里3町であった。小田宿は有明海沿岸を通って長崎に至る浜通り(別名,殿様道と呼ばれた。このルートは佐賀藩主が大村藩領を通らずに長崎へ通じた)の分岐点であった。ケンペルの「江戸参府紀行」に「小田村に至り。そこにて一泊す。今日は彼杵より小田迄十一里を行けり。小田村の手前にて,我等は牛の頭したる一仏像の彫刻せるを見たり。それは杭の上に立ちたる出格子にかこまれて,甚だ大なる樟樹の下に坐をしめたるが,その樹は我等が長崎からの旅行中に注目したる第三の巨樹なり」と記している。またシーボルトの「江戸参府紀行」に「ビュルガー君と私はひとりの番所衆と通詞の弥七郎および二,三人の門人を伴って,一行に先だって小田まで行った。有名な神木をゆっくり視察するためである。それは大きなクスノキで村の入口にあり,広く枝を張り葉の密生した梢がある」とケンペル同様,同じクスの木について述べている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216358