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片山村
【かたやまむら】


旧国名:肥前

(近世)江戸期の村名。藤津郡のうち。蟻尾(ありお)山東麓の中川沿岸に位置する。鹿島藩領。能古見(のこみ)郷に属す。村名は「宝暦郷村帳」「天明郷村帳」には見えず,享和元年写御領中郷村附が初見。蟻尾山の東側中腹からは鎌倉前期の構築と推定される片山経塚と呼ばれる4基の遺跡が発見され,陶器壺と滑石製の蓋とからなる経筒や鉄刀などが出土している。飢饉によって享保18年3月には2名の死者を出している(鹿島藩日記)。近世末期の反別7町余,村高は60石余うち物成52石余・口米7斗余・夫米2石余,ほかに水車運上銀35匁余が課せられた(鹿島藩記録)。明治初年の戸数13(うち農家11)・人口58(同前)。嘉永5年当村に鹿島藩の火薬製造のための焔硝水車床が築かれた。村内は下川良田・川良田・山下・薬師・岩下・井手坂・左近谷の小地名からなる。「明治7年取調帳」では高津原村の枝村として見える。「明治11年戸口帳」によれば,高津原村のうちに「片山村」と見え,戸数14・人口68。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216468