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神埼
【かんざき】


旧国名:肥前

城原(じようばる)川の左岸,広大な水田に恵まれた穀倉地帯の中心地。道中行程細見記に,「中原二里神埼一里半堺原一里半佐賀」とあり,神埼は中原(なかばる)と堺原(境原)との間に位置する長崎街道の宿場であった。地名の由来は,「肥前国風土記」に,景行天皇御巡幸の折,荒ぶる神を鎮められたため,それ以来二度と災いがなくなり神から幸福を与えられるようになったので神幸(かんさき)郡といい,のちに神埼と改められたという。神崎荘の鎮守櫛田宮の境内には能舞台・弁財天社・庚申天石像・石造肥前鳥居(県重文)・オランダ大砲・神幸祭絵馬・肥前狛犬・クスノキの大木・能面・狂言面・古文書など見るべきものが多い。また,隔年4月の神幸大祭は県重要無形民俗文化財指定の「太神楽」や,町重要無形民俗文化財の「締元(しめもと)行列」などの民俗芸能が残っている(神埼町の文化財)。1丁目真宗円楽寺境内に,明治18年にシベリア開教使節団の首班として,ウラジオストックで布教活動を行い,同23年にこの地で没した多門速明の墓所がある。
神埼郷(古代)】 平安期に見える郷名。
神崎荘(中世)】 平安後期~南北朝期に見える荘園名。
神埼村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
神埼村(近代)】 明治22~26年の神埼郡の自治体名。
神埼町(近代)】 明治26年~現在の神埼郡の自治体名。
神埼(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216640