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衣干山
【きぬぼしやま】


唐津(からつ)市市街地の西方,唐津市二タ子(ふたご)にある山。標高162.7m。全山花崗岩よりなる。山名の由来について,「肥前旧事」に「唐津名所記曰,衣干山,此山ハ唐津近所二子島村ノ内ニアリ,山ノ高サ五十間周廻壱里余,村ノ西方ニ孤立ス。昔神功皇后,御衣ヲカケホシ給フ,故ニ名付ルト云伝フ」と記している。また「松浦拾風土記」に「衣干山 神功皇后三韓より帰朝ましませし時,旗印等を干し給ふ所故に衣干山と名付り。則ち武内宿禰絶頭に登り給ひて見給ふに,折しも風はげしく,干したる物ひるがへれり,灘も響くなりと,帰朝の威を顕し玉ふ故,此見渡しを響きの灘とは云ふなり。此宿禰は筑後国高良大明神也」と記している。東麓一帯は,菜畑遺跡をはじめ,唐津市山下町・桜馬場・平野町と続く弥生時代の甕棺遺跡群などがみられる考古学上の宝庫である。なかでも,菜畑遺跡は昭和56年の発掘調査で,ここから出土した炭化米と同一層の遺物等から縄文晩期中ごろのものと確認され,日本最古の稲作文化を示す遺跡であることがわかった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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