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木ノ角村
【きのつのむら】


旧国名:肥前

(近世)江戸期の村名。佐賀郡のうち。木角とも書く。佐賀平野中央部,川上川下流東岸に位置する。佐賀本藩領。新庄郷に属す。村高は,「正保国絵図」「天明村々目録」ではともに655石余,「天保郷帳」では681石余,「旧高旧領」には見えない。「天明郷村帳」では小村に東上ケ・中小路・西上ケがある。日蓮宗蓮成寺は杉町備中守が小城(おぎ)郡三日月村に建立したが,その後当村に移転したものという。同寺の記録によれば,鍋島光茂の妹祐妙院日善大姉が杉町備中守に嫁いだ縁故で,延宝3年藩主光茂が堂宇を改建し,田畑などを寄進して寺格を改めたという。寺門前に一万部塔・二万部塔の経碑があり誦者は,当時の住職知正院日恵上人で,上人は在職中,続経をすること1,000余座に及んだといわれている。同寺は江藤新平の祖先の墓所で,佐賀の乱後江藤の遺骸は一時同寺に埋葬され,その後西田代町本行寺に移葬された(鍋島村誌)。佐賀の乱後の同寺の様子は,「素ヨリ寂寥タル僻地ノ由,然ルニ連日多人数参詣スルコト故ニ商人ハ寺内ニ菓子或ハ果物ノ店ヲ出シ寺中俄ニ繁昌セリ」と見える(新佐賀市史3)。「明治7年取調帳」「郷村区別帳」ではともに鍋島村の枝村に見える。「明治11年戸口帳」によれば,鍋島村のうちに「木角」と見え,戸数35・人口113。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216730