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切通川
【きりどおしがわ】


江見(えみ)川ともいう。筑後川水系の1支流。三養基(みやき)郡上峰(かみみね)村の北部にある鎮西(ちんぜい)山(201m)の西の谷付近に源を発し,同郡中原(なかばる)町・北茂安(きたしげやす)町の西部を経て,三根(みね)町江見で1級河川筑後川の旧河道に入り,福岡県との県境をなして南流し,筑後川に注ぐ川。延長13.8km。「三根郡村誌」の市武村の項に「江見川 二等河ニ属ス。一ニ境川ト云ヒ,上流ハ則西尾川及ビ九丁分川ナリ。本村ノ東南ヨリ流注シ,正南ニ至テ前牟田江及ビ勘太郎江ニ合ス。……満潮ノ時ハ百石以上ノ船ヲ容ルニ足ル。……下流ハ筑後国三潴(みずま)郡芦塚村ヲ経テ筑後川ニ合シ海ニ入ル」とある。筑後川が大きく北に蛇行している頂点,旧河道との合流点の右岸に,三根町の中心集落江見がある。ここは藩政期は百石船が上って来る河港として栄え,津内には佐賀藩の御蔵・御番所があった(享和2年三根郡下村郷図)。江見川を境川といったのは,肥前・筑後の国境に位置するからで,今,両国橋が架かっている。江見には昭和初期ごろまで和傘や粘土瓦の積出港があった。「疏導要書」「三根郡村誌」にはそれぞれ九町分川・九丁分川となっており,切通川の名はない。今は上峰村大字江迎(えむかい)字九丁分付近では九丁分川という。なお,三根町東津に切通川放水路がある。切通川は筑後川の約100m手前から西に折れ,約2km並行して流れ筑後川に合流するため,洪水の際は疎通が悪くなる。そこで西に折れる地点に江見水門を設け放水路をつくり,昭和43年12月竣工した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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