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九千部山
【くせんぶざん】


昔は肥前側から九千部岳,筑前側からは九千部山と呼んだ(元禄国絵図)。「肥前国風土記」にある草横(くさのよこ)山は九千部山のことである(太宰管内志)。鳥栖(とす)市と福岡県筑紫郡那珂川町の境にある山。背振山地の1峰。標高847.5m。山頂に弁財天の石祠が祀られ,古来霊山としてあがめられた。山名が由来するという隆信沙門の法華経九千部読誦伝説の地は,当山でなく南2kmの所にある石谷(いしたに)山である。「歴代鎮西要略」に「天暦中,僧性空居背振山,三根郡有隆信沙門,栖山誦法華,満九千,蓋性空伴侶也,今九千部岳其処也」とある。山頂にはNHKをはじめ民放3社のテレビ塔がある。山頂からは筑紫平野・博多湾・有明海・雲仙などが一望され,山一帯のブナの巨木や各種の樹林を合わせ,九州自然歩道に含まれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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