100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

高徳寺
【こうとくじ】


唐津(からつ)市中(なか)町にある寺。真宗大谷派。釜山海と号す。本尊は阿弥陀如来。織田家の家臣であった奥村掃部介が入道して浄信と号し本願寺教如上人の弟子となり,その子小源太浄俊ものち顕如上人に師事し,天正11年松浦の地に来て1宇を建立。その後朝鮮に渡って信者を得,天正13年に帰朝したが,名護屋城在陣中の豊臣秀吉に召し出され,朝鮮での討死にの霊魂を弔うため朝鮮渡海を命じられる。その時に釜山海の山号と五昧の茶釜などを拝領し,朝鮮に1宇を創建したという(松浦古事記)。帰国後,慶長6年現在地に移し釜山海高徳寺を開山した。幕末12代住職の了寛は勤皇派として活躍し,境内の木蓮館は志士たちの集会所となった。了寛の長女で愛国婦人会の創始として名高い奥村五百子は当寺の生まれで,兄円心とともに若くから勤王の志士として活躍。西南の役では西郷軍に呼応のため,唐津に同志を集め決起することを計画したが,兄円心にいさめられ思い止る。その後朝鮮に渡り,光州に実業学校を創設。北清事変の時戦場慰問に行き,軍人遺族救護事業の必要を痛感し,愛国婦人会の結成に奔走した。境内に墓碑がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216910