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五反田支石墓
【ごたんだしせきぼ】


東松浦郡浜玉(はまたま)町五反田にある遺跡。玉島(たましま)川下流の東岸,唐津(からつ)平野の東端に位置し,近接して谷口古墳が存在する。昭和29年4月に発見され,6基の扁平巨石を有する支石墓が確認された。この扁平巨石は近接する葉山尻支石墓と同様,この地に産する花崗岩を使用しており,埋葬遺構の内部主体はいずれも基盤層を切り込んだ土壙である。中でも4号支石墓の土壙の底には,小砂利の敷石の手法をもって作られている。遺物は2号・3号・4号・6号支石墓から出土しており,3号支石墓には弥生時代前期の肩部の張った壺が供献もしくは副葬品として埋置されている。4号支石墓からは,小形の甕と壺の差し合わされたものが出土しており,甕の口縁に刻み目があり壺の形状から,縄文時代末期に編年される夜臼系の土器である。6号支石墓から出土する肩部がやや丸味を有する小形壺は,3号支石墓と同様に弥生時代前期に編年される。支石墓の埋葬遺構から出土する土器の編年から,縄文時代末期から弥生時代前期初頭に位置する支石墓群といえる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216960