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佐織遺跡
【さおりいせき】


小城(おぎ)郡三日月(みかつき)町大字長神田(ちようかんだ)字佐織にある遺跡。縄文時代晩期に編年される夜臼式土器を伴う埋葬用遺跡で,現在の三日月中学校の北方の水田下に位置しており,遺跡が形成された当時は沖積平野の中の微高地をなしていたと推定される。当遺跡の周辺は,縄文時代晩期から弥生時代中期にかけての遺跡や遺物,さらには支石墓なども確認されている。当遺跡からは,甕棺・壺棺を主に3つのグループに分離されて13基が出土し,現在の水田面下約1mの灰褐色粘土質の基盤を掘り込んで,直立もしくは斜位の状態で埋置している。出土する甕棺・壺棺は,いずれも粘土帯の積上げ技法による製作で,器面には粗い条痕が見られ,五反田・葉山尻支石墓などで出土する土器群と対比できる。現在まで埋葬用遺跡のみの確認であるが,生活遺跡も近接して存在するものと思われ,縄文時代末期から弥生時代初期にかけての生活変化を知ることのできる遺跡として注目される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217008