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鯖岡村
【さばおかむら】


旧国名:肥前

(中世)鎌倉期に見える村名。小城(おぎ)郡のうち。条里制の遺構地域で,地形的に扇状地の先端部にあたり,地下から伏流水が湧出する。小城郡条里の7・8条,「布施里」「馬見里」「衣口岡里」「白殿□」などに広がる。元仁2年5月22日付の藤原中子・宇佐三子連署譲状案に「在管肥前国小城御領鯖岡村〈入田十町,但卅丁内加地子田十五丁〉」とあり,「布施里」「馬見里」など7・8条の里内の坪に散在している。小城二郎大夫昌通(心蓮)が相伝私領として伝領してきたが,この年,心蓮は妻藤原中子の嫡子宇佐昌介に永代を限ってこの私領を譲渡した(中山法華経寺史料)。江戸後期の「千枝の落葉」(佐賀県立図書館蔵)には「小城桜岡,其昔鯖岡と申候由,天正の頃大塚右京宅地のよし,日峰様御隠居あそばされ候に付,鯖の字を桜の字にあそばされ候よし」とあり,小城城下(小城町)の中心部にあたる小高い丘を城下町の起立に伴い,鯖岡(娑婆岡とも)から桜岡と改称したとしている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217077