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渋木村
【しぶきむら】


旧国名:肥前

(近世)江戸期の村名。小城(おぎ)郡のうち。多久(たく)盆地の最東端に位置し,北方に天山,東部に峰山・鏡山がある。南部は牛津(うしづ)川まで平地が展開。佐賀本藩領。下多久郷に属す。村高は,「正保国絵図」「天明村々目録」ではともに228石余,「天保郷帳」では280石余,「旧高旧領」には見えない。「玄梁院様配分帳」では多久伊豆が地米高131石7升を知行する。当村の起源について,「丹邱邑誌」に「初別府ノ内也,渋木室老ノ采地トナリテ一村トナレリ」とある。享保6年の田10町余・畑9反余・屋敷4町余(多久の歴史)。また「丹邱邑誌」によれば,文政6年の戸口は20戸・84人,盲1,馬11。佐賀に発する唐津(からつ)往還は,小城町から当村を経て多久氏領に入る。その入口として,丹坂峠越えと渋木嶺越えとがある。集落の西端,唐津往還沿いに天文十五年二月の刻銘を有する龕入りの六地蔵がある。鎮守は渋木妙見社で,祭礼は11月15日。「明治7年取調帳」「郷村区別帳」ではともに別府村の枝村として見える。「明治11年戸口帳」によれば,別府村のうちに「渋木村」と見え,戸数33・人口160。なお,「小城郡村誌」によれば,明治2年上村(宝蔵寺村)・下村(古賀)・羽佐間・仁位所の4か村とともに別府村に合併したとある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217149