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須田村
【すだむら】


旧国名:肥前

(近世)江戸期の村名。佐賀郡のうち。須田山ともいう。佐賀本藩領。背振山地南部,嘉瀬川上流域に位置する。山内分に属す。「宝暦郷村帳」では1村として見え,「天明郷村帳」では小村に本村・御堂野・矢櫃・小川内がある。なお小川内は「天明郷村帳」では1村として見え,小村に御堂野・日櫃がある。村高は「正保国絵図」「天明村々目録」ともに133石余,「天保郷帳」では180石余。本村は上須田・下須田に分かれる。御堂野(現御殿)の地名の由来は御堂があるためで,矢櫃は鎮西八郎為朝の射た矢が落ちたところから起こったという。また小河内は小川内とも書き「こごうち」と呼ぶ。下須田に武内宿禰を祀る白鬚神社がある。寺院は玉林寺(現大和町)末寺の曹洞宗妙田庵が上須田にある(昭和24年の水害で本堂が倒壊,庫裏のみ残存)。権現山麓にある「権現さん」は石祠が巨石に囲まれ,武運長久の祈願に参詣者が絶えなかった。当村には納富や光野の姓が多い。「明治7年取調帳」では小副川村の枝村として見え,「郷村区別帳」では下小副川山の枝村として見える。「明治11年戸口帳」によれば下小副川村のうちに「須田村」と見え,戸数70・人口307。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217378