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善左衛門橋
【ぜんざえもんばし】


「ぜんじゃあばし」と呼ぶ。多布施(たふせ)川に架かる橋。佐賀市多布施1丁目と同市伊勢町を結ぶ。この橋は江戸期,長崎街道の要の1つであった。長さ約8m,幅約5m,今の橋は明治33年に架け替えられたものである。かつてこの橋は名もない土橋であった。長崎街道は佐賀城下では道幅は狭くなり,迷路状に屈曲しており,土橋はすぐ切り落とせるようになっていた。すべてが外敵に備えるためであった。当時,橋付近は御用商人の町で,上佐嘉(現佐賀郡大和町)から米やまきが川船で多布施川を下り,橋付近で陸揚げされた。橋が流されると両町の往来ができず町人は困った。財政や建築家として非凡な才能を持った宇野善左衛門は伊勢町に住んでいた。土橋を石橋にという町民の願いを受け,藩主に願い出たが城下の防備を理由に許可が出ず,善左衛門は私財で架橋することを条件に許可を得た。こうして,明和元年架橋した。橋名は善左衛門に由来する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217410