100辞書・辞典一括検索

JLogos

7

千塔山遺跡
【せんどやまいせき】


三養基(みやき)郡基山(きやま)町大字宮浦字宿にある遺跡。国鉄基山駅の西方100mの丘陵上にあり,弥生時代の環溝集落,古墳,中世墳墓からなる複合遺跡。千塔山丘陵は,後期洪積世の独立した中位段丘で最高所は53m,水田との比高は約15mである。千塔山丘陵に集落が営まれたのは弥生時代前期末からであり,中期前半までの住居址が14棟と貯蔵穴・土器溜遺構が検出された。後期後半ころに再び集落が営まれ,台地の周縁部を断面U字形とV字形の溝が巡り,40棟の住居址が溝の内外に分かれ群をなす環溝集落である。この集落に伴う墓地は箱式石棺群と石蓋土壙墓群と考えられ,すべて溝外にある。17棟の住居址とU字形環溝が後期後半に属し,15棟とV字形環溝が終末期に属する。住居址やU字形溝からは鉄斧・鍬先・鋤先・鏃などの鉄器と砥石のほか銅鋤先7点が出土。この丘陵は古墳時代以降は墓地として使用され,5世紀末から6世紀代の古墳7基,歴史時代の火葬墓4基,木棺墓2基,土壙墓3基,周溝墓11基などが調査されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217415