100辞書・辞典一括検索

JLogos

8

大門西遺跡
【だいもんにしいせき】


佐賀市金立(きんりゆう)町金立字十一本杉他にある遺跡。背振山地の南,金立山麓から佐賀平野へ向かって延びた舌状丘陵の基部(標高40m)に立地する。弥生時代前期末の集落址と古墳(16基)からなる複合遺跡。縄文時代各時期の土器片が出土したが遺構としては晩期の甕棺墓と土壙各1基がある。弥生時代の遺構は前期末に建てられた竪穴式住居址4棟,貯蔵穴27基,その他の竪穴2基が検出された。住居址の平面形はいずれも円形で,直径3~5mと小規模である。床面には炉址や排水溝などの施設はなく,柱穴の配列状態には,壁ぎわに5~7か所円形に配置するもの,4つを方形に配置するものがある。貯蔵穴は平面形態が長方形・方形・円形と3種あるが,いずれも住居址に付設された例はない。古墳16基のうち内部主体が明らかなものは12基で,5世紀代の石棺系石室3基,竪穴式石室2基と6世紀末から7世紀前半に築造された横穴式石室7基に大別される。前二者の石室を持つ古墳からは少量の鉄器・土師器が検出されただけで副葬品は貧弱である。横穴式石室古墳では,須恵器が種類・量ともに豊富で,馬具・鉄器・装身具類・土師器なども出土している。歴史時代の遺構として住居址と土壙墓があり,土師器が出土しているが,横穴式石室内から竜泉窯系の青磁碗や瓦器碗が出土している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217452