田中里
【たなかり】

旧国名:肥前

(古代)条里の里名。正平９年６月日付河上社神役対捍免田島等注文案に「一，西門免壱町〈山田西郷内田中里号鴈俣〉同人子息重文」と見える（実相院文書／佐史集成16）。山田西郷は東郷とともに「和名抄」に記す山田郷が律令制の弛緩にともなって生じたのであろう。大和(やまと)町東山田・同町川上字西山田がその遺称地である。山田東郷で条の記載される里名は11～13条に限られているので，山田西郷は14条以西であろう。田中里の遺称地は存在しないが，大和町西端付近で小城(おぎ)郡境に近い地域の里名であったことは間違いない。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7217606