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多良火山地
【たらかざんち】


県の西南部鹿島市,藤津郡太良(たら)町・塩田(しおた)町・嬉野(うれしの)町,長崎県の諫早(いさはや)市,大村市,北高来(きたたかき)郡小長井(こながい)町・高来町,東彼杵(ひがしそのぎ)郡東彼杵町にまたがる山地。東は有明海,西は大村湾に臨むほぼ円形をなす死火山山地である。新生代第三紀に噴火した数峰よりなる火山で,白山火山帯に属す。山頂付近には県内最高峰の経ケ岳をはじめ五家原(ごかはら)岳(1057.8m)・多良岳(982.7m)に囲まれた直径約3kmの爆裂火口(カルデラ)があり,西壁は郡川(こおりがわ)の火口瀬によって破られている。この火山帯には寄生火山が多く,当県内の琴路(ことじ)岳・浄土山・湯ノ峰山・唐泉山(とうせんざん)・国見岳などをはじめ,長崎県の郡岳(こおりだけ)(826m)・烏帽子(えぼし)岳(697m)・烽火山(ほうかやま)(554.3m)などがあり,平谷(ひらたに)温泉(鹿島市)や嬉野温泉(嬉野町)などの温泉もこの火山の所産である。当山の東斜面には風配(かざはや)高原がある。植物群落として,多良岳ツクシシャクナゲ,県指定の五家原岳ツクシシャクナゲ・多良岳センダイソウがある。近年,開発が進み,特に当県側の山地では昭和39年から7年間の開拓パイロット事業としてミカン園が造成され,当県が全国第3位の生産県となった一役を担っている。また,長崎県側では,勤労者いこいの村・長崎自然休養村・国立少年自然の家・国民観光レクリエーション地区として開発されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217630