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多良川
【たらがわ】


多良川水系で,高野(こうや)川・流矢(ながれや)川の2支流を持つ。藤津郡太良(たら)町の西端,長崎県大村市との境にある経ケ岳(1,075.5m),北高来郡高来町との境付近にある多良岳(982.7m)などに源を発し,北東流し途中で支流流矢川や高野川を合わせ有明海に注ぐ。延長10.8km,2級河川。「疏導要書」に多良川をはじめとする河川名をあげ,それらの流域は人手不足のため十分に開発されていないが,将来の開発についてふれている。「藤津郡村誌」に「二等河ニ属ス。深処一丈五尺,浅処二尺,広処二十五間,狭処十八間,急流ニシテ清淡ナリ。水源ハ村ノ未位多良岳経ノ岳ヨリ発シ村ノ半腹字安永ニテ経ノ岳ノ西壁ヨリ発スル流矢川ヲ合セ,尚高野川ヲ合セテ北流シ字町ニ至リ海ニ入ル。流矢川合流迄ヲ二等トシ其ノ上流ヲ三等トス。二等長一里四丁,三等長凡二里余」とある。多良岳の放射状浸食谷を刻む川の1つで,上流部は安山岩地帯でV字谷をなし,下流部は集塊岩地帯で谷幅が広くなっている。そのため,平地の少ないこの地域の重要な水田地帯となっている。川口には太良町の中心集落多良がある。上流部にある中山は多良岳登山の一拠点で,キャンプ場となっている。また,付近の川は地形・水温ともにヤマメの生息に適し,近年一時途絶えたが,昭和49~51年に稚魚が放流され,多くすむようになった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217631