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千々賀庚申山遺跡
【ちちかこうじんやまいせき】


唐津(からつ)市千々賀にある遺跡。松浦川に合流する徳須恵川左岸の標高10mほどの海岸段丘上からは石器や弥生式土器,土師器,須恵器などが出土する。かつてこの地の庚申山で,甕棺の傍らの小形壺の中から銅釧が8個発見されたが,甕棺の形式や詳しい出土の状況などは不明である。銅釧は千々賀型と称される青銅製腕飾りの優品で,巻貝を縦切りにして作った貝輪の特徴をよく写したものである。長さが9.5~8.5cm,幅5.8~5.6cmと不揃いで,別個の鋳型で鋳造されたことがわかる。この銅釧の祖型は呼子(よぶこ)町大友遺跡の甕棺(前期末ころ)に埋葬された成人女性人骨が着装していたイモガイ縦切貝輪とみられている。庚申山の甕棺からは,この他にも双耳の細形銅矛や中広銅戈が出土しているが詳細は不明である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217653