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常広城
【つねひろじょう】


鹿島(かしま)市常広字古城にあった城。塩田(しおた)川と鹿島川に挟まれた沖積地(標高1.5m)に設けられた平城。有明海にも近く,水害の常襲地帯であった。築城の年代は明らかでない。「北肥戦誌」巻22に「斯くて隆信,少時鹿島に在陣あり。(中略)鷲巣には嬉野与右衛門尉を差籠められ,鹿島の城には鍋島豊前守信房を居ゑられ,各当境を能く相守り有馬を押へ申すべき由下知ありて,隆信は頓て須古の城へ帰陣ありけり」とある。近世になると佐賀鍋島本藩の支藩として成立した鹿島藩の居館となり,9代直彝が文化4年高津原の鹿島城に移るまで存続したが,移転後は廃絶となった。「肥前国絵図」によると外郭は土塁で囲まれ,その延長は893間余と記され,本丸は北鹿島小学校敷地になっていて当時の遺構はみられない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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