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天山神社
【てんざんじんじゃ】


小城(おぎ)郡小城町大字晴気(はるけ)字本山にある神社。旧県社。祭神は多紀理毘売(たぎりひめ)命・市杵島毘売(いちきしまひめ)命・多紀都毘売(たぎつひめ)命。社伝によれば大宝2年に参議藤原安弘,文武天皇の口宣をこうむって天山山中の池に島を築いて蓬莱島と名づけ,社殿を興して天山宮の上宮とするとともに,霊貴山に下宮を建立。長保4年には康家が下宮を当地に移して祭祀を興隆させたという。また文武天皇は,小城郡内の300町を寄進したともいう。天山々麓には天山神社が3社あって,当社の他に小城町岩松の天山神社と東松浦郡厳木(きゆうらぎ)町の天山神社がある。3社とも由緒古くいずれが本社とも決めかねる。「三代実録」貞観2年2月8日条に天山神は従五位上に,同じく仁和元年2月10日には正五位下に昇階している。また正応5年8月16日の河上宮造営用途支配惣田数注文(河上神社文書/佐史集成1)に「天山社六丁八反」とその名が見える。中世の当地領主千葉氏は当社を崇敬して社殿を修築し夏越祭を興したと伝える。近世になると鍋島氏の保護を受け,勝茂・元茂は神殿を改築,以後享保5年,天明年間,安政4年と度々修改築がなされた。古来より晴気川水系の農民による信仰が篤く,干天の時には郡内よりの参拝者が絶えなかったという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217745