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名尾川
【なおがわ】


嘉瀬川水系の1支流。神埼(かんざき)郡脊振(せふり)村鹿路(ろくろ)付近の各谷に源を発し,西流して佐賀郡大和(やまと)町に入り,田中川・柚ノ木川などを合わせ西流し,同郡富士町との境付近で1級河川嘉瀬川に注ぐ川。延長8.3km。川名は「疏導要書」「神埼郡村誌」にも見える。田中川との合流点付近の盆地一帯は大和町大字名尾であるが,この中に大楮(おおかご)や楮原(かごばる)など和紙の原料楮にちなんだ地名があり,ここは名尾紙の産地である。和紙生産の歴史は古く,慶長9年鍋島勝茂が重臣鍋島生三に国紙(くにかみ)(佐賀領内産)を江戸に送るよう依頼している(坊所鍋島家文書)。明治40年に組合が設立され,大正4年3月現在,松梅村の内名尾一円(現在の大和町大字名尾)で組合員数は27であった(佐賀郡誌)。今日では年中製造は1戸あるのみで,季節的な製造が数戸あるにすぎない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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