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中川
【なかがわ】


本城(ほんじよう)川ともいう。鹿島川水系の1支流。鹿島市最南端,長崎県との境にある経ケ岳(1,075.5m)に源を発し,北流して松ノ坂川や木庭(こば)川などを合わせ,鹿島市街地の北東部で2級河川鹿島川と合流する川。延長12.8km。多良(たら)火山の放射谷を刻む川の1つで,上流部を本城川ともいう。「疏導要書」の中川の項に「広十三間,深三尺,此川水上本城山ヨリ出テ,鹿島領三河内村,大殿分村,若殿分村,納富分村,行成(ゆきなり)村,執行分村,犬王袋村其外ノ作水トナル……霖雨ナトノ節ハ急水出ル所ニテ,水難多ク又数日降雨ナキ時ハ水掛リ悪キ場所ニテ,旱害ニ及フ所ナレバ,漸々ニ好キ地形ヲ見立テ堤ヲ築キ予ノ旱魃ノ備ヲ成度コト也,川尻ハ犬王袋ヨリ鹿島川ト一ツニナリ,横蔵江ニ打出ス」と記している。下流部では古来幾度か河道を変えた形跡がある。昭和37年7月7日の集中豪雨で堤防が寸断され,大きな被害をこうむり,これを契機に河川改修工事が進められた。最上流部の平谷温泉は単純泉で,付近の鹿島市平谷には白糸の滝があり,滝付近はキャンプ地となっている。また,渓谷一帯の能古見(のこみ)峡は肥前耶馬渓と称される景勝の地である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7217869