仁比山城
【にいやまじょう】
神埼(かんざき)郡神埼町大字的(ゆくわ)字小淵にあった城。背振山地南麓の小山(192m)に設けられた連郭式の山城。佐賀平野をはじめ,城原(じようばる)川流域から背振山地に入る通路を抑える要衝地にある。南朝方の菊池武安が正平15年に築いたもので,少弐頼尚が竜造寺・松浦党と組んで宮方に対抗する目的で築城したといわれる。「北肥戦誌」巻3に「文和三年甲午,探題一色宮内少輔直氏,小城を立ちて神崎仁比山の城に入らる。千葉介・竜造寺,探題に相随ふ。九月十九日,菊池・赤星仁比山へ取懸相戦ふに,菊池討負け引退く」とあり,以後しばしば激戦が繰り返された。遺構としては山郭がある。
| KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7218013 |