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納富分遺跡
【のうどみぶんいせき】


鹿島市大字納富分にある遺跡。多良(たら)山系に端を発する能古見(のこみ)川によって形成された沖積台地の水田中に位置する。遺跡の西には多良山系が連なり,東は有明海を一望することができる。出土遺物は縄文時代と弥生時代にまたがっており,縄文時代の遺物には後~晩期の粗製土器に伴って,漁撈時に使用された石錘や狩猟用の剥片鏃が多く出土している。さらに,十字形石製品や分銅形石斧・短冊形石器等も出土しており,中でも十字形石製品は有明海沿岸に主に分布する特色を有するものである。当時の有明海の漁撈生活と多良山系の狩猟生活を,知ることの可能な遺跡の1つといえよう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7218116