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八幡神社
【はちまんじんじゃ】


多久(たく)市多久町地区にある神社。旧郷社。祭神は神功皇后・応神天皇・仁徳天皇・比売大神。他に大山津見命以下4神を明治期に合祀。社伝によれば,建久4年に多久宗直が当地に入部して当社を勧請したという。「丹邱邑誌」には宗直が梶峰山麓に当社を創建したのは正治年間としている。万治辛丑年(寛文元年)の多久茂辰・茂矩による造立銘を有する梵鐘は第2次大戦に供出されて今はないが,その銘文(丹邱邑誌)によれば元亀元年に多久荘梶峰城主となった竜造寺氏の崇敬を受け,その子孫多久氏によって受け継がれ,代々梶峰城の鎮護神とされている。社蔵棟札によれば竜造寺安順による寛永4年の改築以後,元禄7年・正徳4年・明和4年・天明4年・安政5年に修理のあったことが知られ,現在の本殿は寛永4年改築当時の面影を伝えていて県重文に指定されている。神事は10月19日(もと9月29日だったが天保年間に9月19日に変更。新暦になって現在の月日となる)で浮立・流鏑馬が行われていた。また9月21日には能があり,これは美麗田楽の者が勤めていたとされる。この祭は弥奉祭と呼ばれ,前夜には市がたつ。境内の三本杉は大木で市指定天然記念物。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7218223