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早津江川
【はやつえがわ】


1級河川筑後川水系の1支流。佐賀郡諸富(もろどみ)町の南,福岡県大野島の北端部で筑後川が東西に分流するが,そのうち西流するのが当川。上流部は福岡県との境をなし,下流部は佐賀郡川副(かわそえ)町大詫間(おおだくま)島との間を流れ有明海に注ぐ。延長10km。筑後川は河口部に大きな三角州(北部は福岡県大川市大野島,南部は川副町大詫間島)を形成する。三角州の形成は,17世紀初頭で(県干拓史),そのころからこの川は形成されたことになる。本流筑後川から分流し,西流から南流に変わる付近の自然堤防上に,早津江の集落が発達している。集落の北部,諸富町との境付近の三重津は文久元年海軍伝習所が設置された所で日本海軍発祥の地である。また,汽缶製造所も併設され,慶応元年国産初の蒸気船「凌風丸」が進水した。早津江橋を中心とした右岸一帯は,藩政期港町として栄え,五島・対馬の塩魚や佐賀・福岡の農産物集散地で,米蔵や魚類の問屋が立ち並ぶ商業港であった。現在は海苔漁船の往来の激しい港である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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