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日在城
【ひありじょう】


伊万里(いまり)市大川町川西にあった城。伊万里市の北東部,松浦川左岸に連なる山地(226m)に設けられた山城。3つの峰からなり,中央に城,前後の峰に見張り所を設けた。久寿年間に源直の四男遊によって築城されたといわれる。居館は山麓の構(地名)にあった。遊は大川野に居館を構えたので大河野氏と称したが,遊の子は大川内・伊万里氏の祖となり,弟の知が日在城を継いだ。城下の松浦川上流域は多久(たく)・唐津(からつ)・伊万里・武雄(たけお)への分岐点にあたる軍事・交通上の要衝地。天文年間には大河野氏は絶えて,波多一族の鶴田氏が居城とした。「北肥戦誌」巻10に「頃は天文十三年十一月廿一日,(中略)扨竜造寺伯耆入道の一勢は,上松浦へ討入りけるに,(中略)鶴田兵部大輔が日割の城,此等を攻むべしと」とあり,竜造寺氏に攻められたが落城しなかった。しかし天正5年竜造寺隆信に城を明け渡して鶴田氏は滅びた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7218305