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兵庫村
【ひょうごむら】


(近代)明治22年~昭和29年の佐賀郡の自治体名。瓦町村・若宮村・淵村・藤木村,および東高木村の一部が合併して成立。大字は瓦町・若宮・淵・藤木・西淵の5大字を編成。筑後川支流巨勢(こせ)川流域に位置する。村名の由来は江戸初期の治水・干拓に功のあった成富兵庫茂安の名にちなむ(兵庫町史)。大正3年の戸数800・人口5,038。水田がよく開けた肥沃な地で,水利の便は極めてよい。産物に米・麦・豆類・藁細工がある。瓦町に村役場が,淵に兵庫尋常高等小学校が設置されていた(佐賀郡誌)。農業が盛んで,昭和12年の記録によれば全戸数の75%が農家であり,土地面積に対して耕地面積は80%,農家1戸の平均耕作面積は1町6反2畝である。昭和14年には干害,同24・28年には水害に見舞われた。特に昭和24年の水害では,巨勢川が氾濫し,堤防も各所で決壊し,床上浸水家屋は6割に達し,残り全家屋は床下浸水となった。水田も全部冠水し農作物の被害は甚大であった。同27年3月には全国優良村として全国町村会長から表彰された(兵庫町史)。同29年3月佐賀市・西与賀(にしよか)村ほか3か村と合併,佐賀市の一部となる。村制時の5大字は佐賀市の大字に継承。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7218426